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まちろぐ

生き方模索中の人によるブログです

愚行録

うわぁ。。やな話だったぁ。。

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 どよぉ~~ん。

 

まさにイヤミス、って感じの読後感。

最近はなるべく明るい、というか心が温まる本を読みたくてあんまりミステリー系は手を出さないようにしてたんですが、映画化で話題の本だったので読んでみました。

 

事件の真相が暴かれた時には

あー!そうか!その設定忘れてたわー。。あー、なるほどねぇ。。みたいな。

想定できそうだったのに、全く盲点だったみたいな、意表を突かれるというか。

 

 

細かいストーリーはやめとこう。

 

あらすじはある事件についてライターが周辺の人に聞き込みをして事件の真相を追求してく。。。という流れで関係者へのインタビュー形式で物語は進んでいきます。

友人、知り合い、同僚、色んな立場の人が他人騙りをしているうちにいつの間にか自分の本質を曝け出す。。

そこがタイトルの「愚行録」たる所以なのですが。

そこまで露骨でもなく、だけど少しずつ色々な感情が染み出してくる感じがとてもリアル。女性特有の「別に悪く言うつもりはないんだけど。。。」って結局悪口やん、みたいなやつとか、よく分かってんなーって思いました。

 

男性目線と女性目線、あと大学が舞台になるところがあるんですが、内部生と外部生とか、世の中の色んなヒエラルキーみたいなものがそれぞれのエピソードにうまく溶け込んでて、最後の真相に行き着いた時、不可解なようでストンと納得しちゃうような説得力がありました。

 

大学の描写はなんか自分の過去も思い出されて懐かしいとも思いました。私はどちらかというと庶民派な学校だったので、愚行録に出てくるような金持ちのボンボンやらがこれ見よがしに、なんてことはありませんでしたが。

それでも私学だったので内部生の何とも言えないこなれ感に入学早々違和感を覚え落ち着かない気持ちにさせられたのを思い出しましたね。大阪の大らかな公立高校を出た私にはなーんか不思議で。

おそらく中学くらいから私立でエスカレーター式で、ってなるとそこの学校のカラーみたいなものが色濃くなるんでしょうね。

 

そうそう、もう一つ思い出したのが桐野夏生さんの「グロテスク」。

一時よく読んでたなぁ。

 

学校の中のヒエラルキーや、「他人騙り」という点ですこし似たものを感じました。

騙っているその人の言うことを最初は信じて物語を捉えてしまうんですが、別の人が出てきて語る内容は同じ空間にいるはずなのに全くの別世界。

最初に想像した世界と全く逆転させられてしまって誰が加害者で誰が被害者かわからなくなるんですよね。そして終いには何が正しかったのか、わからなくなる。

開き直った「嫌な奴」が最後報われてほしいとさえ思ってしまう桐野作品はほんと恐ろしいんです。

 

今私たちが生きている世界も、みんな同じ空間を共有しているようで本当は一人一人が全く違う世界に生きているのかもしれませんね。

 

愚行録 (創元推理文庫)

 

 グロテスク〈上〉 (文春文庫)